Are you ready? 『オバサン・レディ』で、ますます楽しく!

スペシャルインタビュー

Are you ready?
『オバサン・レディ』で、ますます楽しく!

山田邦子 山田 邦子

女流小説家としての顔も持つ、山田邦子の第13弾小説『オバサン・レディ』。小説の発売を記念して、邦子さんにお話をうかがいました。小説の話、ダンナさまの話、リサイクル手芸の話、などなど。インタビュアーが邦子さんと同世代女性だったということもあり、ちょっと『オバサン』的会話で盛り上がってしまったかも・・・。邦子流、小説づくりの秘密もわかります。

<Are you ready? 『オバサン・レディ』ができるまで>

本当はこの人はピンクでが大好きでとか・・・ンタビュアー『オバサン・レディ』が発売されたということで・・・、早速読ませていただきました。

山田はい、ありがとうございます。

イ:いろいろ身につまされることが(笑)。ジムには通っていらっしゃるんですか?

邦:今はね、ちょっと・・・。一応、会員になっているところはあるんだけれど。今回、自分の年代にぴったり合っているところを書かせていただきましたけど、もっと先輩になると、母とか、50代の方に言わせると、甘いらしいです。もっとすごいおばさんになって行くんだって。女の人はすごいですねぇ〜。でもここで気がつけば・・・、もっとおばさんになって行くか、これからますます楽しくなるなって思うか・・・、そういうところを提案してみたんですけどね。

イ:邦子さんの一連の本を読ませていただいて感じるのは、邦子さんて、ドラマなどを見ていると、山田邦子があって・・・という感じがする。つまり、割と個性の強い方のように思うのですが、小説を読んでいると、山田邦子が消えるんですよ。小説って、書いた人が浮かんでしまうと面白くないと思うのですが、スッと入り込むことができるように感じたのですが。

邦:そう? あまり意識してなかったけど。題材は常に身近なことにしてるんで、みんながそれぞれ何かのときに、当てはまるんじゃないかな、主人公に。それは・・・主人公を設定するときに、ずっと気をつけているから。勝手にOLと書いても、なかなか・・・。OL経験がないので、実際の下調べというのは、大変ですよ。友だちとか、番組で知り合ったOLの方をよくよく観察して、お茶くみはこういうことなんだなとか、上司に誘われたら、ある程度はつきあわなきゃいけないんだなって、そういうことの繰り返し。

イ:描写がとても細かいと感じるんです。

邦:やっぱり小説はディテールが大切ですから。細かいところを作っていくと、本当はいない人でも、生きてくる。そうやって息を吹きかけて行くというのが、一番面白い作業なんですよ。だから小説の中には書き込んでいないけれど、本当はこの人はピンクでが大好きでとか、そういうところまで決めるんですよ。

イ:設定ノートのようなものはあるんですか?

やってるんですよ邦:最初はまず主人公の人柄をはっきり決める作業なんです。この人は優しい人だから、例えばお魚が好きで、レストランでも張り込んでフレンチに行っても、お肉にしますかお魚にしますかといったら、魚料理を注文するだろうと。そうすることで、会話も生まれてくるし、会う人も決まってくるんですよ。

イ:そういうのを制作ノートなどに書き込むんですか?

邦:そう。汚らしくね。自分だけがわかるネタ帳ですよ。

イ:そうなると、せっかく考えても登場しなかった人物も多そうですね。

邦:ありますね。友だちにしようと考えていたけれど、消えていった人とか。家庭とか、家族とか考えたけれど、これはいらなかったなと、登場しなくなったり。お父さんは銀行員で、お母さんは元スチュワーデスでと、そういうところまで決めるんだけど。もう13弾でしょ。最初の頃は、書いたところを全部使ってほしかったの。編集の人に、ここはいらないからってザクッと削られると最初は悔しくて、せっかく編み出した一文字一文字を切りやがったなって(笑)。何とか切られないようにって思ったけれど、今は何とも思わないですね。

イ:そういえば、最初の頃より、小説一編の分量が長くなっていますね。でも、読みやすいです。一気に読めます。それに、ビジュアルがとても浮かぶんですよね。

邦:浮かばないといけないと思ってね、『ガーデニング』のところではね、花がこうなってこうなってというのがわからないといけないと思って、絵を描きました。どんな形なんだろうと思ってページをめくったところに絵がくるようにしました。

イ:ガーデニング、おやりになるんですか?

邦:やってるんですよ。結局、水泳も通ってますし、別に先生と変なことにはなっていませんけど(注:第三章『二乗の法則』の主人公、主婦・京香は、水泳教室の若きインストラクターと関係を持ってしまう)。先生も、そういうステキな方とはお会いできませんけど(笑)。もう、若いときの文章じゃないですよね。Hなシーンが、これまた大好評で。毎年一冊小説を出しているんですが、このHなシーンがR-15指定ということで、事務所のほうが、これはダメだと(笑)。今まで書いた小説の主人公たちも、結婚したり、出産したりしてるんですけど、そういうはっきりとした描写というのはなかったんですね。そこだけは、うやむやにしていたんですが、いくらなんでも、自分も結婚したし、それに40歳も過ぎたから、そろそろ。それに、水泳の若い先生、自分から見て10も15も若い先生の肉体ってこういうのなんだっていうところを、はずしたくなかったのね。高校野球とか始まって、自分の息子のような年頃の子が頑張っている姿を書きたいんですよ、肉体の素晴らしさを。事務所とケンカしながら(笑)、この辺はもうちょっと削ろうとか、そのものの描写はやめようとか。でも、そこが評判ですね。結構イケるらしいです、その文章は。

イ:そう思います。あと、もう一歩Hなシーンに踏み込んでもイケるんじゃないかと個人的には思ったり(笑)。

邦:これは本当に、水泳のインストラクターのところは、初めての文章です。さらに言うと、端役でも何でも、今まで悪い人が出て来ないような小説を書いていたのね。例えば自分にとって、自分をふった相手は悪い人だけれど、その人も家に帰ったらいいお兄さんだったりするから、こういういい部分もあるんだというように書いていたんだけど、水泳のインストラクターは悪い人にしたかったの、本当は。そうすれば、インストラクター傷つかないから。俺も遊びだったんだよってしようと思ったんだけど・・・。待てよ、私がいい気持ちで終われるにはどうだって考えると、オバサンになって、家庭に入っちゃった主婦が勲章をもらえるとすると、若い男の子を遊んで捨てるっていう、夢のようなプレイですね。あり得ないですから。そういうわけで、今回はインストラクターの人だけが不幸になってしまったわけで、なんと、純粋な男の子だったということにしたんですけど。

<オバサンになりますよ〜っ! 用意はいいですか〜っ?>

ちょうど新聞のニュースに出たんですよイ:主人公の京香さんは、ものすごく若く見えるという設定なんですけど。38歳なのに30歳に見えて、まだ若く見えるなんて・・・どういう人かなと非常に興味を持ちました。

邦:ちょうど新聞のニュースに出たんですよ。ものすごく若く見える奥さんの話が。コギャルみたいな格好をしているのに、38歳か何かで。だけど16ぐらいと言っちゃあ、22、3の男の子と夜な夜な遊んでて、とうとうダンナさんに怒られて。それが新聞に載って、ワイドショーか何かに取り上げられて、というのがあったんですよ。それで、そういう人がいるんだと思って、イケるな、と。今、ヤンママが多いでしょ。お母さんだけども、コギャルみたいな格好してる。ちょっと前から、おかしいですよね。女子高生がブランド持っているし、逆に21ぐらいでも、制服着て出かけたい症候群みたいな人もいるっていうから。まあ、そんなことの合体ですね。

イ:いやあ、それにしてもインストラクター、可哀想でしたね。

邦:純情だったね〜。本当だったら、ゴルフスクールでも何でも、奥さんがいっぱいいて、コーチがひとりだと、コーチの方が奥さんを食い放題というのが一般的かな〜と思ったの。だから、その逆で。あのね、『マディソン群の橋』を越えたかったの。

イ:ああ、あれは涙なしでは読めませんでしたね。

邦:たった4日間ぐらいでしょ、人生の。一生涯、勲章ですよ。愛する人が心にいるという強さがある。この奥さん、この後、家の中で何があっても、私だってやることやってるのよって思える。

イ:インストラクターの肉体の描写が細かくて、ちょっとドキドキしました。どこでこういった肉体を見るのかな・・・と。例えば、テレビ中継している高校総体の水泳とか・・・?

憧れますね〜(笑)邦:そうそう、ステキよね。あと、世界水泳とかね。水着のパンツ、どんどん小さくなっていくでしょ。裸じゃないのって。でも、最近は、長いの着てるのよね。つまらない。だから、トライアスロンに変えたの。トライアスロンは海パンはいてるから。みんな仮面ライダーみたいに腹筋が割れてるし。年上の男性とつきあったら、まずそういうのはないですよね。ナルシストで鍛えている人なら、そういう人もいるかもしれないけれど、みんな大体、でっぷりとお腹が出て来ちゃうもんね、憧れますね〜(笑)。

イ:私、インストラクターの描写のところ、ひとりで読んでいるのに、ちょっと恥ずかしかったんですよね〜(笑)。

邦:腹筋の割れた男の前で、歳いっちゃった女がビキニになれるかどうかという・・・。結構課題ですよね。でも、そこにずうずうしい年齢というのがあって、この小説では、そこを出したかった。20代前半だったら、私恥ずかしくて・・・というのがあるかもしれないけれど。

イ:40代のどこかのような気もするんですけど・・・。

邦:その辺りで、あがきそうだね。そんなことが平気になって、いけないな〜というのもあるんですよね。生活していると。

イ:そうそう、寝間着みたいな楽な服あるじゃないですか。以前母に「これ楽よ」と言われたとき、「そんなオバサンみたいな服、絶対着ない」って抵抗していたんです。

邦:確かに、ああいう服は楽よね〜。

イ:でも、最近、それを着て、出かけられる自分に気がついて、ああ、確実に歳をとってオバサンになってるな〜と思いましたね。

邦:なってる、なってる。なってますよね。私も五時過ぎてからスーパー行くしね。詰め放題300円とかあったら、もう飛び出ているのに、入れてるもの(笑)。昔は恥ずかしかったのよね、そういうことが。袋とかが余ったら、もういりませんとか言って・・・。レジに並んで、自分の番が来たとき、お金が足りなかったら、顔から火が出るぐらい恥ずかしかったのに、今じゃ、全然平気。「じゃあさ、きゅうりと卵やめるけど・・・あと20円? じゃあさ、ウーロン茶もやめてみる」なんて、平気だもの。

イ:ああ、その通りです!!

邦:本当に昔は恥ずかしかったね〜。電車でもひとりで乗ったりすると、隣りに誰かが来ると、もう恥ずかしくてずーっと下向いてたけど、今じゃ「どうも」って話ができるもの。暗い夜道が平気で歩けるようになったら、もうダメよ〜(笑)。それに、ひとり暮らしが長かったら、掃除なんかも自分でやるのが当たり前じゃない。だから重い物も、うーんって自分で持ち上げて。ダメ。それもいけないの、本当は。自立しすぎると。

イ:頼った方がいいんですよね。

邦:そう。そういう辺りを考えても、狭間なんじゃないですか、ちょうど。50代ぐらいになると、まだまだ甘いわねっていうことになるし、もっと先にスゴイことが待っているのよね、きっと。大人になっちゃった〜と言っているうちは、まだまだなんじゃないですか。

イ:捨てた自分を懐かしく感じる間もなく、自分はこうなんだって自覚しちゃうときが来るんですかね。

邦:来るんだろうね。だから今回の『オバサン・レディ』って、オバサンなんだけど、レディの部分が残っているよっていうのと、“Are you ready ?”用意はいいですか?、っていう、両方の意味なんです。オバサンになりますよ〜っ! 用意はいいですか〜っ! というギリギリのところですね。ある人は、恋愛によって気がついたり、ある人は、仕事によって気がついたり・・・ですね。

イ:個人的には、二番目の話の後日談が読みたいですね(注:第二章『Yoshinoyaの靴』)。常子オバサンでしたっけ。

邦:スーパーオバサンというのがいるなと思って、人生のもうちょっと先輩という人を書きました。いい人になっちゃいましたね、常子さんは。一方主役は地味でおとなしい女性です。旅行に行っても、私なんかは自分の分の買い物を先に済ませてしまいますけど、時々友だちの中でも奥ゆかしい人がいてね、ハッと気づかされる。私はずうずうしいから、芸能人だし、自分が主役で当たり前と思って、どうも飲み会でも、旅行に行っても常に主役的行動を取ってしまうんですけど、そういうときでも、必ずセカンドに付いてくれて、そして全部やってくれるような女の人っているんですよ。そうすると、感動してね、こういう人も誰かを好きになって、主役になる瞬間がもちろんあるわけですから。そういう人を、日頃の感謝の意味も込めて、主役にしたかったの。おとなしい人を。で、その人が初めて自分のために買い物するの。

イ:期間はどのくらいでお書きになるんですか?

邦:2ヶ月くらい。前は毎晩やっていたんですけど・・・力のないうちは。編集力ですから、今はくっつけていく作業に時間がかかる。

イ:手書きですか?

邦:最初は手書きなの。それは私しか読めない。そこから、口頭にして、字におこしてもらうの。それをまた手書きで直していくの。ここをちょっと足そうとか、削ろうとか。それが一番大変な作業で・・・、書き過ぎてたり、書き足りなかったり、こんなつじつまの合わないこと、なんていうのがあったり・・・。最初から書いていったときは、途中でウッと止まったりしてました。今はいいとこ取りで、思いついたことをそのまま文章にして、後でくっつけていく。

イ:ふぅーん(と感心)。

来年、離婚とか書いてるかもわかんないし(笑)邦:なかなかね・・・吐き出しているんで、年に一回というペースがよくってね・・・。もう、今から次のを考えているけれど、来年になったら、もう、ちょっと違っているかもしれない。もうちょっとオバサンになって、もうちょっとずうずうしくなって、もうちょっと恐ろしくなって・・・。

イ:そうやって、小説のネタを考えていらっしゃるんですね。

邦:そうですね。『同級生』という本を書いたあたりでは、友だちの話をだいぶ聞きましたけどね。でも、自分が経験してなかったんで、何とも薄い文章ですよね。『結婚式』も結婚してないのに書いたんですよね。だから、夢見る夢子で・・・。で、自分が結婚してみて、ずいぶん違かったな〜ということで、家族の確執みたいなところに触れて行くんだなっていうことが、恋愛と結婚では大きく違うんだっていうのを、去年『マリッジブルー』で書いたんです。どうなるんでしょうね。来年、離婚とか書いてるかもわかんないし(笑)。

<勝負は、素顔が可愛いかどうかですよ(笑)>

イ:この年代になると既に離婚している友だちも周囲に結構いますものね。

脳の作りが違うからね邦:『同窓会』ではもう書いたんですけどね。もう、同窓会を開いてみたら、いっぱいいますね。二回目離婚とか。たくましいですよね・・・。まあ、女が書いて、女が読むものだと思ってずーっと書いてますけれど、これ、意外と男の人が読んでくれるんですよね。女の人って、こんなくだらないことを考えていて、可愛いねっていう感想だったり。だから、いいんだ、これでって、反省しないで書いてます。・・・サイン会なんかをすると、結構男の人が多いんですよ。そして、こんなことでイジイジ、グチャグチャ考えているんだって言ってくれる。

イ:でも、男の人って、イジイジ、グチャグチャ考えていることをいちいち口に出して聞いてもらおうとすると、嫌がりません?

邦:脳の作りが違うからね。男の人は、ひとつのことしか考えないから。でも女の人は、デートをしていても、冷蔵庫の中の卵の賞味期限が切れそう・・・なんていう、変なことも一緒に考えられるんだよね。男の人って、野球とか見てると、野球のことしか考えてないから、ねえねえ、卵がさ・・・なんてことを言うと、うるさいな、ということになっちゃう。

イ:なりますね。

邦:スケジュールなんて、男の人のためにあるんじゃないかと思う。男の人って、何時に誰とどこで会うというのを、すごくきちんとその通りにするでしょ。でも女の人って、まあ、いいかっ、ここでお茶でも飲んじゃおうかっていう・・・。

イ:ああ、そうそう。思いついて。道を歩いていて、気になるお店があると入っちゃって、当初の目的が達成できなかったり・・・。

邦:でも、ちょっと見えたんだもん・・・と言っても、またおまえは、ということになるでしょ。でも、それが言葉だとケンカになるけれど、それが字だから。それを読んでくれると、可愛いねっていう感じが多いですね。

イ:ダンナさまのご感想は?

邦:ダンナはもっと、私のキツイ部分も知ってますから、外面がいいと(笑)。生活というのは、もっと現実的でグロテスクですよね。現実はどうでもよくて、毎日楽しい夢を見て生きていければいいなぁと思う方なので。ダンナさんは、もう少ししっかりと現実を踏まえてますよね。だから、時々私を白けさせる。洗濯とか、掃除とか、お料理とか。そういうのは、気分のいいときだけ私はやりたいんだけど、現実は毎日しないとダメじゃない。

イ:おそらく、世の多くの女性がそう思っていますっ!! ダンナさまも家事をされますか?

邦:するんですよ。

イ:まあ、タレントさんを妻にするということは、その辺りをわかっている方でないと、うまくやっていけないように思うのですが・・・。

邦:そもそも、39年ひとりでやってきたのに結婚するわけですから、そうそう大変なところは行かないですよ、私だって。

イ:そうですよね(激しく同意)。

キャラクターによるんでしょうね邦:だから、便利です・・・なんて言ってはいけないですね。山田邦子を奥さんにしようと思った時点で、いろいろなことを覚悟しているはずですから、大丈夫じゃないですか。でも、楽ですよ。時々、予想外のことをしてあげたりすると、うんと評判が上がりますから。嫁もやってますよ、時々。向こうのお父さんやお母さんを大切にするとか、そういうことは喜んでくれますよね。その代わりその後は三日間ぐらい、大の字で寝かせてもらいますけど。“家庭臭さ”ですよね。今度はそういうものを、盛り込んで行けたらと・・・。

イ:タレントさんて、家庭臭さを見せてはいけない部分と、見せたい部分とあると思うんですが、どうなんでしょう。

邦:キャラクターによるんでしょうね。あまり分けてるつもりはないんですが、割と分けてるように思われがちですよね。だから、(今回の小説のように)こうやって色っぽいことを書いたりすると・・・ね。だって結婚してるんだから、当然処女じゃないのよ。でも、どうも嫌いなのよ・・・うちの本部はね。永遠の処女性を私に求めてきます。不気味でしょ? でも、(明石家)さんまさんの感想は、イヤだって、やっぱり。そういうこと、しないでほしいって。

イ:ちょっと前、深夜テレビで、いろいろな男性芸人さんが出演して、お笑い女性タレントで一番いい女は誰かというので、邦子さんが選ばれた番組を見たんですけど。

邦:言われた言われた。まあ、姉さんだから、また気分よくして、後で焼き肉でもご馳走になろうという、下心がムンムンしてました(笑)。でもね、私はあんまり家庭のこととかは、得意じゃないですよね。

イ:年月の長さは決まってますから、片方やれば、片方ができないというのは当然のことのように思いますが。芸能界であれだけ活躍されているんですから。

邦:そうね、まあ、(私も)悪い人じゃないから、(家庭のことができなくても)・・・いいか。

イ:でも、お料理上手という話を聞いたことがありますが。

邦:そう、上手なのよ。だから、つきあっているといいですよ。でも、結婚すると、超現実ですからね。彼氏だったら、いろいろいいことをしてもらえるわけですよ。彼氏のときは、いいときしか会わないわけでしょ。仕事が忙しいときは会えないから。だから、会えるときに100%で会うから。でも結婚したら、会いたくないときもいるわけだから。

イ:そうですよね(大爆笑)。

邦:だから、ダンナは、俺、損だなって言ったり。家では素顔だし、ジャージ姿のときもあるし。ブ〜ッとしてるときもあるし。

イ:それは、当然ですよ。機嫌悪いことは誰でもありますものね。

邦:だから、損だって(笑)。みんなには物マネやって聞かせたりするんだろって言うの(笑)。それは仕事だからさあ、って言うと、俺、一回も島倉千代子とか、やってもらったことないって言うのよ。仕事じゃなくて、打ち上げとかでもオマエやるだろって言われて、それもそうだなって思って、カラオケ行ってやってあげたり。それから、いつも家では普段着だって言うから、一番いいのを着て、さあ、どうでしょうってやったら、いいねぇ、それじゃあ、出かけようってなったりしてね、そういうこともありますよね。

イ:(大爆笑)

邦:タレントって、いろいろなことをやるわけですよ。本を書いていて、集中しているときは邪魔されたくないし、この間やった落語の会で、落語の練習しているときは、異常ですよね。ひとりで座布団に座って、えーっ、この度は・・・とかやっているわけですから。いつまでも。それから、物マネの練習をしているときも異常でしょ。絵を描いたりとか。タレントはありとあらゆることを要求されますよね。オペラだって、覚えるときがあるし。そういう姿を見られたくないの、本当はね。

イ:まるで、夕鶴のおつうのようですね。

邦:そう。見るなと言うたに、なぜ見た、あれですよね。でも、生活だから、何となく違う部屋にいてやってるんだけど、本気で台本を読んでいるときはね、本当に笑ったり、泣いたりして練習してるわけですよ。ひとつの変な生き物がいるという・・・、家の中に。それとつき合っているんですから、覚悟してくれないとね。

イ:見られて、怒ったりはしないんですか?

邦:最初のうちは恥ずかしくて、なるべくいない時間にと思ったんだけど、なかなかないんですね。そういうときにちょうど帰ってきて、ご飯の支度しなくちゃとか、そういうふうになるわけ。そうすると、イライラするから、いても平気になった。

勝負は、素顔が可愛いかどうかですよ(笑)イ:それは、いいことですね。それができないと、どんな人も、結婚生活を続けられないですよね。

邦:そう。勝負は、素顔が可愛いかどうかですよ(笑)。そうそう、『オバサン・レディ』の黄色いこのカバーね、本当に目立って夏らしくていいな、これは本屋で書棚に並んだらいいだろうって思っていたらさ、そうやって考えている人が作家の中に多くて、結構黄色い本、多いんですよ。やられた〜。

イ:山吹色がきれいですよね。ボディブレードはお買いになったんですか?

邦:ありますよ。

イ:でも、なかなかできないんですよね。

邦:ダンベルも実際に持たなくても、持っているつもりで神経を集中させれば、同じことだって森末慎二さんいわく。でもそうは言ってもなかなか、ね。でも、見てるとついつい欲しくなる。昨日も、お茶の間ショッピングの収録があって、紹介する立場なのに買いました。

イ:えっ、どんなのですか?

邦:金魚運動の新しい器械。

イ:効きそうですね。楽にできそうだし。

邦:一番楽してできる・・・というのがオバサンですよね。自分がオバサンかどうか、簡単に見分ける方法があります。

イ:はい。

邦:化粧品とかで、新色が出ているのに、買わない、まだあるからと言って。それから、水着ですね。まだ入るからと、買わない。あまり変わってないじゃないって。カットとかがよく見ると違うのに。

イ:う〜ん、既に水着になることさえはばかられるので、私もオバサンですね・・・。40代ぐらいの人はこの本を読むと、ああ、わかるわかるって言いますでしょ。

邦:そう。でも、20代前半の女の子が『オバサン・レディ』読んだのよ。そして、面白かったって言うのよ。で、あっさり、こうなるんだなって思いましたって言うから。ああ、やっぱり若いって思ったけど(笑)。

イ:第一章『ボディブレード』は浮気されちゃう奥さんの話が出てますが・・・。

邦:私は、例えば浮気されても、相手が楽しいと思っているなら、ああよかったねと思うほう。

イ:追及しないんですか?

また次の小説のネタに(笑)邦:しない。見てればわかるけれど、どう出るかなって泳がせておくほう。で、じっと観察して、また次の小説のネタに(笑)。そういえば、例のHシーン、最初は反対した事務所の人も、そのシーンの意外な反響に、官能小説をペンネームで書けという話も飛び出したり(笑)。

イ:それはまた180度違いますね。でも、山田邦子だとわかってはマズイんでしょ?

邦:50歳ぐらいになったときには、解禁になって、実は・・・ということにしたいのでは?

イ:(大爆笑)

邦:でも、汁っぽくなかったでしょ?(笑)。私、汁っぽいのはダメなんです。

<メル友・お千代さんと、「メール送れた」(笑)>

チャンスですよねイ:女性の更衣室の会話、真実味がありますよね。

邦:オバサンは、ブラとパンツがそろっていない。だんだんとはきやすいパンツが決まって来て、ブラとそろわなくなるのよね。服も靴も履きやすいほうになるんだなって。・・・今、合唱団に入っているんですけれど、私なんかは若手で、女性は60代、50代が主流なんですね。そこに若い音大の男の先生が来て指導してくださるんです。みんな孫にでも会うみたいな華やぎ方で。少女に戻っちゃうんですね。そういう空気が流れてますよ。でも、そうでもしないと、若い人と話ができないし。何とかしたいと思っているわけじゃないけど、空気だけでも感じたいとか、見てるだけで幸せみたいな。そういう若いエキスに触れるという、チャンスですよね。

イ:第九とか歌われるんですか?

邦:唱歌が多いですよね、動物愛護を考えたチャリティーの合唱団なんです。

:ステキですね。どのようなきっかけで。

邦:ちょうど習い事をしようかなと思っていたんです。何をやろうかなと思っていたら、合唱はどう、という話になったんです。働いている女性が中心です。みなさんなかなか忙しくて、集まりにくいメンバーが頑張ってやっています。実は九月九日、上野の森で開かれるコンクールのゲスト出演をするんですよ。お時間があるみなさんに是非聞きに来ていただきたいです。先月は名古屋でやったんですよ。フルオーケストラで歌わせていただいて、自分たちで感動してしまって。みんな、女学校以来じゃないかしら、って。みんなで新幹線に乗って、バスに乗ってなんて、社会人になると、なかなか機会がありませんから。・・・実は合唱団で見たことが少しだけインストラクターの話に入っているんですよ。更衣室の話なんかは。歌うときって衣装をみんなで揃えるから、着替えるでしょ。日々観察しています。みんな普通のオバチャンですから。

イ:普通と言えば、島倉千代子さんは、普段はごくごく普通の方だと聞いたことがあるんですが。

邦:お千代さんは、本当に普通の方ですよ。仲良くさせていただいていますけど。実は同じ時期に携帯買ったんで、ふたりでメールやろうという話になって、メル友ですよ。何話してるかというと、メール送れたとか、入ったとか(笑)、そんなことです。でもね、身近に感じるわね、と言っているんです。オバサンだけでなく、オジサンもメールやってますよ。前田武彦さんとは、結構マメにメールしてます。この本を書くにあたって、携帯を初めて買ってみたんだけど、携帯は親密な感じがするわね。

イ:初携帯ですか。

邦:この世界は連絡、連絡の世界だから、いらないなぁって。別に持ってなくても連絡取れるし。でも、持ったら持ったで、マネージャーに連絡するのよね(笑)。つかまりたくないときも連絡入るけど、まあ、仕方がない連絡だなって出ますけどね。メールはすぐに読まなくても残ってるし、時間があるときに返事を書けばいいから。すぐに返事を返さないと、友だちじゃなくなっちゃう〜っていうのじゃないから、いいよね。おかげでお千代さんとも、またずいぶん仲良しになりましたね。大先輩ですが。

<ミシン大好き!>

イ:NHK『おしゃれ工房』では、リサイクル手芸をよくされていますね。スカーフからブラウスやスカートを作られたり。そういうこともあって、邦子さんは器用なタレントさんというイメージが強いのですが。

ミシンをかけて・・・邦:いや〜、ミシンをかけて・・・貧乏くさいですよ。ちまちました作業が好きなんですよ。イヤリングとかネックレスとかがこんがらがったのを解くのも大好き。船の上とかだと、もっといいよね。あの酔いそうな感覚が。実は、スカーフを切るまでには3、4年かかりましたね。だから、最初は切らずに作っていたんですよ。でも、そうするとダブッとした感じのデザインのものしか作れないんですね。立体にするには着るしかない。それで、ある日思い切って。でも、スカートを作るにも、スカーフ3、4枚は必要です。スカーフも一枚、3、4万しますから・・・。でも、プリントはものすごくいいですよね。

イ:スカート1枚作るのに、どのくらいの時間がかかるんですか?

邦:終わりを決めればいいですけど、終わらないねぇ。ただ、スカートを作るだけなら早いよ。1時間半ぐらい。でも、そこからが・・・。下に1粒ずつビーズをつけたりし始めちゃうと。いつまでもつけていいわけ。1年も2年も・・・。自分が納得したときができあがり。

イ:いつ頃から、ミシンに取り組むようになったんですか?

邦:本格的に毎日ミシンの前に座るようになったのは、10歳からですね。一番好きなのは、ミシン!

イ:・・・キルティングのほうには?

邦:行かないの! いや・・・気をつけてるの。いつか行くでしょう・・・行くと思うよ! でも、行ったらね・・・。キャシー中島さん(注:タレント活動の他、キルト作家としても有名)、仲良しでね、いろいろ作ったものをくださるの。それは細かく縫ってあってね。素晴らしいですよ。大作だと、1年、2年、かかるっていうの。それを毎日10時間以上縫ったりするっていうの。私はもし行ったら、他の仕事はしなくなると思うの。キルト作家一直線。きっとはまるだろうなと思うから、逃げてるの。その時間はないの、今。でもいつか行くでしょう。

イ:はい、はい(妙に大納得)。

邦:キルトと共に、という本でも出すと思うよ、最後はね。でも、今はなるべくキルトのことは考えないようにしてるの。

イ:山口百恵さんも、キルト作りをしていらっしゃるとか。

邦:山口百恵さんの家に、一度だけおうかがいしたことがあるの。玄関マットから、何から何まで、自分で作ったものなの。素晴らしいキルト作家なの。実は、百恵さんとはすれ違いで、百恵さんが引退されてから、私がデビューしたから、仕事場でお会いしたことがないの。たまたまおうかがいすることになって、こっちは百恵ちゃんだという感じなんだけど、あちらはもう引退したという気持ちが強いから、山田邦子さんだという感じで。いい人でね。でも、キルトを見たときには驚きました。一針一針、細かく縫ってるの。子供のためのものもあったりして、愛情たっぷりのご家庭でしたね。

イ:へぇ〜。

家具作るの趣味ですよ邦:はまりたくないね。もうちょっと絵も描きたいし、家具も作りたい。

イ:家具?

邦:家具作るの趣味ですよ。机とか。大体はリサイクルですから、あるものを分解して、新たに作る。子供のときから使っていた引き出しがイヤなら、塗り替えて、取っ手のところを付け替えたり。ダンナさまがベッドサイドにひとつテーブルをと言うので、引き出しを二個くっつけて、釘で打って、木工ボンドで貼って、そういう棚を作って、コロコロコロ(キャスター)というのをつけたり。上に本と目覚まし時計と載せたりして使っています。

イ:すごいですね。実は私も家具作るのが好きで、一番安いベニヤ板で本棚を作ったら、棚板が曲がってしまい、重たいものが載せられないという、悔しい思いをしたことがあります。作る手間は一緒なんだから、いい材料を使わなければいけないなって。

邦:私もありますよ、使えなかった物も。でも、作っていると、だんだんわかります。

<舞台にはまって・・・幸せです>

イ:でも、それだけやることが多いと、今日はどれをやろうって、なかなか決められなそうですね。

邦:実は、今日は何をやろうと決めていないんですね。やりたいことをやる。そう、だから、やりっぱのものが結構ありますよ。途中で煮詰まるじゃない。そしたらこちらにある編み物をやって、はた、とやめて、ミシンをカタカタしたり。今はドレスふたつ作っているんで、そのことで頭がいっぱい。

本当に幸せを感じていますイ:どんなドレスなんですか?

邦:一応ゴージャス。ダチョウの羽と、造花と、あと、ずーっと貯めてあったガラクタですね。壊れたイヤリングとか。そういうのをいっぱい間に刺していく。来年お芝居があるんですけど、その衣装を自分で作ろうと。もうすぐポスター取りがあるんですよ。

イ:昨年、座長公演をされましたね。

邦:去年、ちょうどデビュー20周年ということで、座長公演を三越でやらせていただいて、初めて舞台の魅力というものに触れたんですね、本当にはまってしまい、来年また、新しいお芝居を予定しています。本当に幸せを感じています。

イ:その座長公演のご衣装を・・・!

邦:ブランド物も大好きですけど、(それを見ていると)もっともっと(こうしたい)と思っちゃったり。・・・グッチもヴィトンも・・・帽子になるなとか思っちゃう。ヴィトンのバッグだってばらせばバッグの分量の生地が取れるわけですから。貧乏症ですよね。だって、座長公演のポスターですよ。衣装さんもいるんだから、西陣の着物を持ってきてくださいって言えば、持ってきてくれますよ。それをミシンをガタガタ言わせながら、自分で作ってるんだから。どうかしてるんですよ。疲れた、寝る時間がないということになって、結局、自分で自分の首をしめているのかも(笑)。自分で好きなことをやっているうちはいいんですけど、宿題になっちゃうと、イヤですね。辛い。のんびりと描ける絵、のんびりと書ける字とかね。ペンキ塗りとか・・・やりたいですねぇ。

楽しいオバサンになれると思うんですよイ:はぁ〜(感嘆)!

邦:今日着ているブラウスはいただいたものなんですけど、いつかやるでしょうね。こういうところ(プリント柄の花)にビーズをちまちまとつけたり。今はこれはこのまま楽しんでいますけれど。長袖に飽きたら、切って半袖にするかもしれないし。

イ:材料はご自分で買いに行かれるんですか?

邦:はい。中野ブロードウェイとか。新宿オカダヤとか。ワンピースもさ、とっても好きなワンピースがあったんだけど、ちょっと短いのね。ミニスカートなの。もう少しのばそうと思ったら、同じ色違いの模様がね、オカダヤにあったの。これを互い違いにしたらいいと思って・・・、切って止まってるの。それもやりたいの。・・・そんな感じなんですよ。

イ:私が言うのもなんですが、邦子さんは、とっても、幸せですね。

邦:そうだね。ありがとうございます。『オバサン・レディ』を読んでいただければ、楽しいオバサンになれると思うんですよ。

イ:本日は貴重なお話をいろいろうかがえて本当にありがとうございました。

邦:ありがとうございました。

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