「夢見る女」たち

スペシャルインタビュー

『夢見る女』たち

山田邦子×菅井きん (スペシャル・ゲスト)

2月名鉄ホール、3月三越劇場の舞台『夢みる女』をむかえるにあたり、特別に菅井きんさんに登場していただくことになりました。今回が2度目の座長公演となる山田邦子。大先輩菅井さんとの初共演に大感激。元気の秘密などをうかがいました。

<ド派手親子です>

菅井きん さん子:本日はよろしくお願いします。

井:こちらこそ、よろしくお願いします。実は、足を引っ張っているんじゃないかと思ってね。もう、よれよれなんですよ。

:菅井さんは、もう、大先輩です。子供のころから菅井さんを映画やテレビなどで拝見しておりました。

:歳だけは立派にとっているんですけどね、もう、何にも知らないの。

:いえいえ、スーパーレディですよ。スカイダイビングはやる。スキューバーダイビングも。まあ、それをやってくれとお願いするプロデューサーもすごいなって思いますけど(笑)。本当に、女優は化け物といいますが、年齢はもう70歳を越えていらっしゃるのに、頼まれれば、ボコボコッと潜ったり、ピューッと飛んだりしちゃうんですから。素晴らしいですよ。今回の舞台も、本当にハード。セリフ量も多いですし、出たり入ったりも多い。

:わからなくなるんですよ。

:いえいえ、元気ですよ。私なんかのほうが、倒れちゃうんですから。今回は親子をやらせていただくんですが、ド派手親子なんです。

菅井さんの衣装が見物です:親不孝という言葉がありますが、子不幸な親の役なんですよ。

:今回、菅井さんの衣装がとてもすごい。お母さんが、どんどん派手になっていくんですよ。それが見物です。

:いつもはもんぺとか、地味な着物が多いですからね。こんな派手な衣装は、本当に初めてなんですよ。みんなポスターやチラシを見て、笑うんです。

:ポスター撮りのとき、別々だったんですが、菅井さんが、まつ毛をつけたと聞いて、もっと派手にしなくっちゃ、とか考えているうちに、私もどんどん派手になってしまいました。ちょっとビッグバード(セサミストリートのキャラクター)みたいなんですけどね。

:どんな衣装か、現場に行くまで、わからなかったんですよ。で、できあがった物を見たみんなに爆笑されるという(笑)。

:確かに、一瞬誰かわからないですよね。これ、菅井さん? ってみんな言いますもの。これだけで大成功ですよね。

<冷めちゃダメ、恥ずかしくなるから>

冷めちゃダメよ:今回私から菅井さんにお声をかけさせていただいたんです。昔から大好きだったから。

:ありがとうございます。

:先輩から盗めるものは、盗んでおかないとという気持ちです。すごいですよ〜、今回のお芝居は。やっているうちにどんどん夢の世界に入って行くんですよ。で、菅井さんが言うの。絶対冷めちゃダメ、冷めちゃダメよ。冷めたら、恥ずかしくなるから・・・って(笑)。名言だなって思いました。演じながら、どんどん夢の中に入って行くんですよ。でも、菅井さん、本当にお元気。健康の秘訣は?

:70の声を聞いたときから、身体の手入れをよくしようと思いましてね・・・それだけです。全てにおいて、バランスよく。もちろん食事も、睡眠も。でも、こうやって外に出ちゃうと、なかなか食事はそういうわけにいかないんですけど。

:そろそろ早起きしちゃうお年頃じゃないですか(笑)?

:でも、聞いて。私どこでも寝られるという特技があるんですよ。 だからそれで助かっています。夜はぐずぐずしていると、すぐに1時、2時、3時になっちゃうでしょ。だから、12時にはベッドに入る。自称シンデレラ婆と言っているんです。寝付きは悪いんですけど、何があっても必ず! 本当は11時がいいそうですけど、私は12時。でもね、徹夜なんかすると、1日じゃ回復しなくなりましたね。

:私の年齢でも、そうなっているんですから(笑)!

:いえいえ。元に戻るのに、2、3日かかりますね。

舞台はナマモノですからね:70の声を聞いてということですが、他に何かきっかけがあったんですか?

:実は、舞台に穴を空けたことがあるんです。盲腸になってみたり、骨折してみたりで。みんなに迷惑をかけるし、だから、気をつけようって。

:舞台はナマモノですからね。誰かが病気になったら大変。今回も代役ないみたいなのよね・・・どうするんだろう。

:最近、商業演劇に2度ほど出させていただいたんですけど、いつも私思うんですよ。代わりがいないんです。

:今回も、菅井さんの役、誰も出来ないですよね。ウチ、マネージャーがまだ若いんですけど、舞台は初めてなんですって。でね、誰が、いつ、どんなことになるかわからないから、何かあったら代役できるようにしておけって言ってるの。そしたら、すごい緊張して、本当ですかって、本気にしてるみたいだけど(笑)。でも、みんな、そんなことないと思っているのよね。

:プロデューサーもそこまでは考えないですよね。役者ってバカだから、ちょっとぐらい手が動かなくたって、足が動かなくったって、やっちゃうからいけないのよね。で、無理がたたったりして。

<翔んでる母親と漫画家の娘>

ドキドキ、ハラハラだわ:考えてみれば、今までも、テレビ局の楽屋ですれ違ったくらいで、本当に初めて、一緒にお仕事させていただくんですね。菅井さんは、今回は派手にお金を使っちゃう母親役なんですけど。最後にありがとうって心が通じ合うところがあって、そこが見せ場なので、是非見ていただきたいですね。恨んで、憎んで、それでも親子っていう・・・母娘の確執が出せればって。私にも、そういうのありますし。

:本当に、血のつながりって、こわいものですよね。本当にもうすぐ始まるのね。ドキドキ、ハラハラだわ。前回の舞台、拝見してないし・・・。

:こうなったら、やるっきゃないっていう感じです。菅井さんのお母さん役は、本当におかしいんですよね。ホストに入れあげて、いろいろなものを買ってあげたりして、大金を使うんです。

:本当に、こんなに翔んでいる母親役は初めてです。

:この演技がおかしくてね。

:本当に初めてなんで、何から手をつけていいのかわからないんですよ。

一生懸命にお顔を観察させていただいたりして:いえいえ、ばっちりですよ。大金があったら、みんなこうなるんでしょうね。私にもなった時期がありますし。でも今回の役は大漫画家先生なので、遊ぶ暇がないようで、お金の使い方がとんちんかんなところがあるんですよね。

:絵がお上手なのよね。今回、似顔絵を描いていただいたの。

:実は、パンフレットにそれぞれの似顔絵を入れることになったんですよ。でも、菅井さん、描かないの。

:私、へのへのもへじしか描けないから・・・。

:で、プロデューサーに、邦子さん、描いてくれないかって言われて。ポスター見ながら描くと、普段の菅井さんの雰囲気じゃないから・・・。おはようございますって言いながら、一生懸命にお顔を観察させていただいたりして(笑)。でも、描けた絵が、ヘンになっちゃって!

:いえいえ、私あれ、ハンコに作ろうかと思っているの。

元気が出る舞台ですよ:みなさん、それぞれがパンフレットに自分の似顔絵を描いているので、それも見どころです。しかも、今回、少女漫画を4ページ描いてみたんです。ネームからペン入れまで。構成もやって。本当に難しい。漫画家にはなれないなって思いました。だって、4枚仕上げるのに、徹夜して、朝までかかっちゃった。途中でコピー機が壊れるというアクシデントに見舞われたりなんかして。夜中にコンビニに出かけて、コピーしたり。そしてまた、ベタ入れたり・・・。いろいろなことをやってみました。アシスタントのいない、貧乏漫画家という感じです。でも、報われてパンフレットに載ることになりました。今回の舞台の主人公は、恋も仕事も全部失っちゃうのよね。そこからが気持ちいい。もっと落ち込むかなって思ったら、以外にケロッとしてるのよ。人間って、こういう風に立ち直れるんだなって、やりながら思いました。今ね、演じる上で、舞台上のダンナをどこでバッサリ思いを断ち切ろうかって考えてるんですけど・・・。

:それはね・・・あれでいいんじゃないかしら。やっぱり女だなっていうのが出るし。

:ほら、こうやって、聞けるんですよ。嬉しいですね。お芝居の最初が絶頂期で、そこから、どーんと落ち、はい上がって生きる。そんなたくましさが出せればいいなって思います。

:本当に、元気が出る舞台ですよ。

<あなたの青い鳥は何ですか?>

夢を見させていただいています:テーマは夢です。前回、『夢番地1丁目』という舞台をやらせていただいたんですが、今回もテーマは夢。これからも夢をテーマにやっていきたいと思っています。あと、「あなたの青い鳥は何ですか?」っていうの。昨日ね、主人と一緒に晩ご飯食べて、「あなた青い鳥見つけた?」って聞いたら、「俺の青い鳥か・・・」って返答が遅いんですよ。「私でしょ、私でしょ」って言ってたら、「うるさい」って言われちゃったけど(笑)。

:売り込んじゃったんだ(笑)。今回の舞台は、本当に夢を見させていただいています。でも、お金がなくなると、きちんとしちゃうお母さんなのよね。

:で、家のことは、全部私がやるわよって言っちゃったり。お金には魔力があるんだろうね。何でも買えるからね。舞台って、面白いのよね。自分がこういう意味だと思って、本を読んで行っても、あっ違ったとか、そう来るかというのがいろいろある。役者がぶつかりあって、面白いですよね。私はバラエティの仕事ばかりしてきたから、自分だけが支度していけばよかったけど、芝居はお互いにつくって行くから・・・。

:邦子さんは、はじけるところはたーんとはじけるんですよ。また、すっとノーマルにも戻れる人。すごいですよ。シリアスもできるし。でも、男性だけはお金で買えなかったのよね。今回の主人公は。ハートとは、そういうものかもしれないですけどね。それが伝わればいいわね。

次回は脚本も…:一場が長いのよね。昨日時間をはかったら、33分と、39分というのがあった。

:長いから、大変なのよ(笑)。頭はこんがらがるし。見る方は楽しいと思うけれど。でも、舞台をやろうというのは、本当にすごいですね。ものすごいエネルギーがいることだし。

:菅井さんは、長年やっていらっしゃるじゃないですか。

:私は頼まれてやっているだけですから。やりますって、周囲に声をかけてやるのはすごいですよ。

:菅井さんは、本当に謙虚な方だから。まだ日本に奥ゆかしいという言葉が残っていた時代の方。でもこの『夢みる女』は、あっ、また何かがおこった、大丈夫になった、今度はどうなるのか・・・!という感じで、最後まで楽しめる舞台です。泣いて笑っていただきたいですね。あと、衣装を見てください。足りなくなっちゃって、自分で作った衣装も登場します。今回は、衣装さんにちょっと入り込み、次回は脚本に入り込み、将来的には、自作自演になって行けるように力をつけて行きたいですね。

<癒し犬vsジョギングウェアー>

お酒の飲めない人ばかりなんです:今回は、出演者のほとんどがお酒の飲めない人ばかりなんです。菅井さんも、犬塚(弘)さんも、(三波)豊和さんも。だから、飲みに行っても食事だけで、お茶ください、お茶おかわりって、とても健康なんですよ。

:これでも飲めるようになったんですよ。といっても、やっとビールコップ一杯だけですけど。前は3センチしか飲めなかったの。

:今回、名古屋でも舞台が終わる時間が早いんですよね。何しようかしら・・・。とりあえず、持っていく物は・・・台本、下着、それと笑顔かしら(笑)・・・なんて。実は、ジョギングウェアーとジョギングシューズを持って行って、名古屋の街を散策しようと考えているんですけど。

思い切り鶏肉を食べられるのが嬉しいです:それは、いいことね。

:ジョギングウェアー姿で、ちょっとあごの長い女を見たら、私だと疑ってみてください。それとね、主人が鶏肉ダメなんですよ。だから、隠れずに思い切り鶏肉を食べられるのが嬉しいです。

:名古屋コーチンが有名ですものね。

:はい。普段も、たまに鶏肉が食べたくなって、ケンタッキーとかにこっそり行くんですけど、「行っただろ」ってなぜかすぐ主人にばれちゃうんですよ。菅井さんは、名古屋では?

「夢みる女」よろしくね:持っていくのは、身の回りの物だけですけど。ただ、癒し犬の写真を持って行こうと思っているんですよ。まだ10ヶ月のバーニーズ犬なんです。今、娘夫婦と同居しているんですけど、孫が2人いて、名古屋とオーストラリアの学校に通っていて、大人ばかりの家になってしまうので、昨年の4月から、癒し犬と暮らすことにしたんですけど・・・もう、可愛くて。孫より可愛いかも(笑)。

:現実のムコ殿はどうですか?

:もう、可愛いですよ。

:へたくそで迷惑かけるかもしれないけれど、よろしくお願いします。

:こちらこそ、よろしくお願いします。

(2002年1月 都内某スタジオにて)

「夢みる女」共演者ミニミニ・インタビュー

びっくりしちゃった三波 豊和実は邦ちゃんとは、もう30年近くのおつき合い。もともと僕の妹の高校の後輩という縁なんですけど。前回の舞台も大成功だったし、今回は、名古屋・東京という二大都市で行うということで、みんな気合いが入っています。僕の役目は、与えられた芝居をこなすことです。今回とてもチームワークがいいので、そのよさが芝居に出ればいいなと思っています。

邦子実はさ、この間風邪ひいたときに、豊和さんに薬をもらって飲んだら、次の日、ケロッと直っちゃった。聞いたら、炭疽菌に効く抗生物質だっていうじゃない。さすが、お金持ちは違うね、と思ったのよ。

三波 豊和いやいや、僕、炭疽菌の問題が持ち上がる前から、風邪ひいたら、その抗生物質を飲んでたんですよ。そしたら、それが話題に取り上げられて、びっくりしちゃった。

全てが勉強ですね小井塚 登邦子さんとの共演は初めてです。全てが勉強ですね。これまでも舞台をやってきましたが、今回舞台の原点を教えられたという感じがしています。役者自身がもっとはじけてやらないといけないなとか、演じている本人が面白くなければ、見に来てくださるお客様が面白いと感じてくださるはずはないとか、いろいろなことを考えながら取り組んでいます。頑張ってます。

 

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