江戸っ子芸者 夢奴奮戦記

スペシャルインタビュー

江戸っ子芸者 夢奴奮戦記

山田邦子×渡辺めぐみ×小井塚 登

山田邦子×渡辺めぐみ×小井塚登

山田邦子の舞台を見ると元気になれる。評判の「夢」シリーズの舞台もいよいよ三作目。三度目の座長公演となる山田邦子。今回は、芸者役に挑戦します。共演の渡辺めぐみ、昨年に引き続き出演する小井塚登と三人で、今回の舞台について語ります。

■ 和物に初チャレンジ ■

山田子:今回は、日本橋芸者役をやることになりました。4月公演は日本橋の三越劇場ですから。名古屋のときは、どうするのかという話もありますが、そのときは、東京の芸者ということで。女優さんがお芝居をやるというと、登龍門として、三作目は、やっぱり和物だろうという声が周囲から盛り上がったんです。困ったなと思いつつ、着物着せてもらうし、いろいろな所作を覚えられるし、これは嬉しいなと。でも、所作のお稽古は大変。ああ、やらなきゃよかったという感じもしてます。やりたい、やりたいって言っていたけれど、現代劇なら、セリフを覚えて、役作りだけれど、今回は、いざやってみると、やることが多すぎて、全然気持ちが入らない。あっち行って、こっち行って、立って座って、踊ったり。

井塚 登:そうですね。

:足さばき、お酌の仕方、戸の開け方などが・・・どんどん迫ってくるんですよ。ですからまだ、お芝居どころじゃないです。どうしたものでしょうね、本当に。テレビはカットカットだから、何とかなるんですよ。ダメだったら、NGもあるし。舞台は、緞帳が上がったら、裾がからんでも、そのままいくしかないですから。

渡辺ぐみ:それ、コワイー!

:メグなんかは、半玉(はんぎょく=一人前でない芸者)役だから、そんなに裾は引きずらないんだけど・・・。

:ずーっと普通のお着物なんで、引きずる部分がないです。

:しかも、18歳だって。これは、サギでしょう(笑)。

:はい。それで今、声を作るところから始めています。

:でも、見えるんだよね、これが。

:そうですか?

:みんな疲れておかしくなっているっていうのもあるかもしれないけど(笑)。小井ちゃんも19歳の役なんだよね。

:強引ですよね、やっぱり(笑)。

:でも、見えなくないんだよ。私はね、28歳だし(笑)。ずうずうしいよね、お芝居って。歴々いらっしゃる座長さんは、80歳を越えている方もいらっしゃるし。それでも『女の一生』は、セーラー服から始める。ストーリーがあるから、そういうふうに見えるんですよね。近くで見ないでね、という感じですが。

:そんなこと・・・。

:着物は、そりゃあいいものを着せてもらいます。こういうのを着たいというイメージも、伝えています。最後の場面の衣装はお楽しみでね、「夢奴はいなくなっちゃったのかもしれない・・・」ってみんなで話していると、ぱーっと帰ってくるんですけど、そこは洋装。それまでと、ガラリとイメージが変わるの。アメリカの進駐軍に潜り込んでいたというので、ちょっとかぶれたような格好で帰ってくるのよね。その衣装が、カワイイの。それは、楽しみですね。

:今年もまた、山田邦子ショーがありますね。

:ええ、太田プロですから。おまけのショーも楽しみにしていただきたいと思います。ずーっと各地を回っている、パックの衣装があるの。是非、みなさまに楽しんでいただきたいと思っています。そうそう、今回は、カツラが重くて・・・。実際苦しむのは、劇場の稽古になってからだと思いますね。三越劇場は通るところも狭いし。「あら、ごめんなさい」の連続だから。引っかけたり、破いたり・・・考えたら、ぞーっとしますね。

:袖なんか引っかけたら・・・。

:そうね、終わりでしょうね。

■ いつかやりたいモテモテ役 ■

:そういえば、昨日、引っかけてましたね。

:浴衣の袖が、全部、切れちゃったの。引っかかったんじゃなくって、袖を引っ張られるシーンで。若旦那(水谷あつし)があまりにも力が入りすぎて、ビリッて。昨日はアザもできましたから。

:すごかったですものね。

:メグは半玉でカワイイからね。いろいろな人からモテモテの役なんですよ。お金持ちのバカぼんぼん若旦那が、ダメだっていうのに、どうしてもメグと一緒になると言ったり、航空隊員(佐野瑞樹)に思いを寄せられたり。小井ちゃん、佐野くん、水谷くんは昨年に続いての共演者なので、そういうチームワークも楽しみですね。そこに、メグが入って。メグは、すごく、カワイイの。

:いえ・・・でも、声を高めにしたり、普段の自分の生活とは全く違うので、気持ちがわからなかったりもするんですが・・・。その辺は、別人にならないと。・・・なかなか大変です。

:バラエティではご一緒したことはあるけれど、舞台では初めてよね。メグだって18歳の役だけど、この中で誰よりも私と歳が近いんだから。

:はい、そうです。

:だって、よめきんトリオですよ。

:はい、あれが、20年前・・・。

:それに、メグにはその前があるんですから。超アイドルという時代が。それは普通に計算していっても・・・、もしかしたら、年上かも、なんて(笑)。もうベテランの域に入っていますから。今回のメグの役どころは、ひとりで純情を背負っているわけです。とても初々しくて、怖がったりするんです。そういうのが、渡辺めぐみさんの中にないので、演じる上で、困っているんですね、たぶん。

:はい、そうなんです。

:泣いて、すがったりというのが・・・ね。メグは、本当にさっぱりした方なんで。どう演じるか、楽しみですね。

:本当に、普段からさばさばしていて、あまり振り向かないタイプなので。

:すがったり、泣いてみたり・・・初めてって、ちょっとした仕草がウブじゃない。大きな音がしただけで、ビクッとしたりするじゃない。そういうのが、全然ない。みんなが、わ〜、きゃ〜って、騒いだ後に、どうしたの? 何があったの? っていうタイプ。本来、肝っ玉の座った人です。それが、可愛らしく演技をするんですよ。メグと小井ちゃんは、重要な役どころでね・・・、そしてここに、佐野くんが加わるんです。この三人が、私や、姉さん芸者の秋川リサさん演じる菊次の若かりしころを担当するんです。純情担当で、カワイイですよ。ところで、小井ちゃんは、純情をどうやって学んでますか?

:前回は邪魔する役だったんですが、今回は盛り上げ役です。でも、実際恋愛する役って、やったことないんですよね。

:小井ちゃんとは仲がよくって、まあ、前回も一緒だったんで、公私にわたってお守りしてもらっているんですけど。

:いえいえ。

:家にふたりで帰るとき、最後、いつもグチになるのは、どうして私たちって、モテない役なんだろうってこと。メグなんか、モテモテですよ。本当に、美人や超ハンサムな方はうらやましいわ。本当に私たちは、モテないわね〜。

:盛り上げたり、そういう役が多いですね。

:いつか見てろよ、私たちに四作目があるなら、いつかモテモテの役をやってみたいですね。

:そうですね。

:でも、今回は、ひょっとしたら名高さん扮する時任さんという海軍中佐が、もしや、私のこと好きかも・・・というところがあるんです。まあ、ちょっとだけ。それが、戦争という時代のために、叶わぬ恋になるんですけどね。

:そこがメインですよね。

:今までは、木っ端みじんにふられる役だったので、ちょっと嬉しいです。「帰ってきたら、そのときは・・・」って言ってくれるんですよ。

:ちなみに、僕は浮いた話は、ゼロです。ただのお供です。

:メグ扮する豆春と、佐野くんの扮する山本様をくっつける、キューピッドですね。最後はふたりを逃がしてあげるという・・・泣けるね、私たちって。

:いつも、よいしょ、よいしょするばかりでね。

:顔で笑って、心で泣いてね。

:ええ、いつも。ちょっと寅さん的ですね。

■ ああ、ハプニング ■

:そういえば、去年の舞台のときより、大人っぽい雰囲気になったって言われたんだって?

:中身は全然変わってないつもりなんですけどね。髪の毛の色が変わったからかな? 髪の色変えろって、周囲から言われたんですよ。

:役者さんですね〜。

:黒くないと、仕事がなくなっちゃいますからね。どんな役もできるっていうのが、黒なんです。あと、役者は髪が長い方がいいっていいますもんね。切る分には、いくらでも切れるんで。短いとカツラつけない限り、すぐにのばせない。

:今、悩んでる最中ですよね。この時代は、みんなが坊主じゃないかっていう話が持ち上がってきて、切るか、切らないかの瀬戸際に来ていますからね。

:そうなんだ。

:だから、逆に周囲に意見を求めないようにしていますね。名高さんにうかがったら、「う〜ん」っておっしゃってましたから。結論は怖くて、まだ聞けません。

:聞いて、切れって言われたら、もう、切らなきゃならない・・・?

:そうですね。でも、今回の役では、帽子をかぶっているから、坊主じゃなくても、わからないという気もするんですけどね。

:お座敷でも?

:もちろん脱ぐけど・・・あれは赤紙(召集令状)が来る前だから、長くても大丈夫でしょう・・・?

:どうかなぁ。ヅラ(カツラ)合わせしてる?

:してない・・・!

:短いカツラもあるんだし。・・・邦子さんは、今回何回ぐらいヅラかえるんですか?

:普通の、お座敷用、すさんできたやつと・・・戦争があるから、大変なのよ。空襲警報が鳴って、「逃げろー!」という場面もあるからさ。それで、ハデになって帰ってくるでしょ。だから、本編では四つぐらいかな。

:途中で、もんぺ姿になったりもするんですよね。

:やっぱり、物資不足になりますからね。衣装替えは、本当に大変です。現代劇のときでさえ、大変なのに。舞台裏は見せられないですよ。間に合うか、間に合わないかっていう戦いがそこでもあるんです。杉良太郎さんに、教えていただこうかしら。杉さんは早いよ、本当に。入ったかなと思ったら、もう替わっているからね。10秒から15秒ですね。

:早いですね。

:タキシードから着流しに替わるのだって、30秒かかっていないでしょう。一曲ずつ全部衣装を替えられるから、ひとつのステージで20着ぐらい着られてるでしょう。

:すごいですね。

:ただ、髪型は替わっていないけれど。女性は、頭も変えなきゃならないから。

:そうですね。

:前回、最後のシーン、着物を着たいと自分で言ったはいいけどね・・・「いろいろなことがあったけれど、みんなを許してあげよう」って言って、いいシーンなのよ。でも、途中から・・・ジリ、ジリ、ジリって・・・自分だけがわかるのよ。ああ・・・足袋が脱げていってる・・・!(笑)

:本番中に・・・!

:そう。片っぽのかかとがだんだんと、出て行くのがわかるの。結局、片っぽ、かかとが出ちゃったのよ。みんな見ないでくれって・・・! 権利書を取りにいってくるというシーンで、舞台袖に引っ込んだとき、女王様のように足をあげて、衣装さんに「(足袋の)爪」って言って、はめていただいたの。いろいろ、あるんですよ。足袋はすべりそうと思っている人もいらっしゃると思いますが、舞台の上では、足袋の裏ちょっと濡らすといいのよ。お出かけで、草履とのそりが合わないなと思うときも、ちょっと足袋の裏を雑巾でも何でもいいんだけれど、踏んで濡らすといいの。そのかわり、よくよくかがれたら臭いですよ(笑)。・・・考えていなかった、いろいろなことが、まだまだ起こりそうだっていうことに、今気づきましたね。公演が始まっちゃったら、お腹の調子がちょっと悪かったら、トイレにパッと行くというわけには、いかないわね。着物だから特に・・・。パンパース?

:でも、そういう噂、聞いたことありますよね。パンパースもありっていう・・・。

:でも、そうだわね。私、一回だけ、名古屋でどうにもこうにもお腹の具合が悪くなって、一回衣装着たのに、あと何分って聞いて、三分ですって言うから、もう一回全部脱いで、お手洗いに行って、まだダメで、あと何分って聞いたら、一分ですって言うから、また行って、また着て出たっていうことがありましたよ。

:パジャマの衣装の時!

:そう。パジャマの衣装は、下に次の衣装を着て、その下に、下履きを着ているから、三回脱がなきゃいけないの。

:え〜・・・今度は着物ですよ〜〜・・・!

:脱ぐの無理だよね。はさみ持って行こうかな。・・・なんか考えよう。

:考えたら、ドキッとしちゃった。

:緊張すると、なっちゃうんだよね。そういうふうになっちゃダメだと思うと。まあ、稽古、稽古ですね。お稽古して、うまく行きますようにって。

:そうですね。

■ 邦楽の新番組に出演します ■

:太田プロチーム、こうしてみると、頑張ってますね。嬉しいね。いつか、全員、太田プロでいけるんじゃないの?

:舞台やっている人もいますよね。

:キレイどころの男がいないからなぁ・・・。名高さん、本当にステキなの。今でこそ、太田プロ、キレイどころが多くなってきましたけど、もともと気持ち悪い人しかいなかったから。いつも肩をこう動かしている人とか、歯が出てる人とか、鼻ならす人とか・・・すごく背の小さい人とか、目玉の出ている人とか、そういう畑なんですね、私のいたところは。そういう方たちの、男らしさを見て、みんな、かっこいいなと思っていたわけです。でも、どうやらそれは、錯覚だったらしくて(笑)。本当にキレイな方を、初めて見たかもしれないですね。名高達男さんは、どこにも間違いがないわけよ。王道の二枚目でね、顔も、物腰も、お声も。ああ、こんな人が、世の中にいるんだ・・・と思って、感動しているんです。名高さんとのお仕事は、初めてですが、嬉しいですね。疑似恋愛、勝手に片思いという感じで、お稽古しているときも、嬉しいですよ。色物とは違う、いい畑の、いいにおいがするの。でも、おもしろいの。かっこいいから、全然そんなことしゃべりそうもないのに、まじめな顔をして、「僕は小さい頃、肥溜めに落ちたことがあるんです」と、おっしゃるの。

:・・・あの声で。

:そう。野太い、きれいな声で。きれいな、澄んだ目で。私たち、リアクションに困るの。これは、笑っていいところなのかどうか。

:確かに、ちょっと、間があきましたね。

:お笑いの私ですら、落ちたことがないのに。すごいなぁなんて・・・。「いやあ、においがなかなか、とれなくてね」って、言ってる顔が、また、かっこいいんですよ。まだそれぞれが、いっぱいいっぱいで、苦しんでいる最中なんで、自分の役を消化して、作り込んでいるところだから・・・。これがだんだん幕が開いて、何日かたって、仲良くなったとき、もう少しみんなと話がしたいなぁって思うようになる。今、お稽古が始まって10日ぐらいですが、演者だけでなく、演出家、スタッフもみんな、苦しんでいるところです。まだ、これだっていうのが、見えない。でも、ここが面白いのよね。

:そうですね。台本も日に日に変わりますからね。これからまだまだ作り込んで行くっていう段階ですね。

:本が遅かったね。

:遅かったですね。去年もそう言ってましたが、去年の比じゃないですね。

:やっぱり支度ができないじゃない。それで苦しみましたね。結局、長唄、三味線を一年ぐらい習ってきたんだけど、私は、長唄を弾くところがひとつもないのよ。勧進帳を踊るところはあるんだけれど。だから、つま弾きといって、芸者が部屋でそっと三味線を弾くというシーンが出てきちゃって、これは、全く違う作業だから、ちょっと今、悪戦苦闘してますよ。

:ちょっと、がっかりですか?

:うん。でもまあ、これは芸事だから、はまりましたね。お芝居には関係なく、私は三味線の会で、先生方とご一緒に五人ぐらいで舞台に立てるまでは、やろうと思いますよ。始めてやっと一年だから、今やめるのは、もったいないんだよね。二年ぐらいたつと、少しものになってくるわよ、と言われているんで。いいチャンスなんで、やろうと思っています。三味線をやっているって周囲の方が知ってくれたおかげで、NHKで、『いろはに邦楽』という番組が四月二週目から、スタートするの。今、邦楽が流行っているんですって。毎週火曜日、夜7時50分から55分、五分間だけなんだけど。今日はお琴を持ってみましょう、とか、こうなっているんですね、とか。それでは、一弦からやってみましょう、とか。昨日は、日本の笛について、四本撮ってきたんだけれど、やっぱりいろいろな笛があるのよね。篳篥(ひちりき)とか、龍笛(りゅうてき)、能管とか、しの笛とか。おもしろいなぁと思って、はまりそうなのよ。いい流れが来ているなっていう感じもするの。私は芸人なんだから、こういう芸事は、できたほうがいいなぁと思って。

:そうですね。

:一回五分だけど、しつこくしつこく、ずーっと再放送するんだって。事務所、ケチだから、それってどういうギャラの計算になるんですかね、って廊下でうなって言っているの。でもNHKのギャラなんて、あってないようなものだから。勉強になるじゃない、国宝みたいな人とお会いできるわけだから。だから事務所には、まあ、いいじゃないって言ってるんですけどね(笑)。

:(笑)

:今だから、笑えるけど、ずーっと太田プロ、お笑いしかいなかったから。お笑いって日銭が稼げるんですよ。今日から、稼げるのね。「行ってらっしゃーい」っていったら、マイクロフォン一本あれば、照明もセットも何もなくても、「みなさん、こんにちわ」って言えば、日銭を稼いで来るわけですよ。そういう事務所だったから、ここまで来るのが、長かったのよ。20年間、ずーっと舞台やらせてくれ、やらせてくれって、頼んでいたんだけど、ずーっとダメで、2000年にようやく実現したの。だって、お稽古の時間って、収入ないでしょ、日銭が入らないでしょ、って。

:ああ、そうか。

:ここで、しゃべって大丈夫ですか?

:いいのよ。もう、笑い話なんだから。それで、結局2001年、幕が開いてね、たくさんのお客さんが入って、立ち見が出たの。まあまあ、(お金が)入ったんじゃないですか? テレビをやるよりは、入らないかもしれないけれど。そうしたら、舞台もいいんじゃないかという雰囲気になりました。それで今回も、太田プロのタレントさんに出演していただけることになって、嬉しいことです。

:こちらこそ、今回もよろしくお願いします。

:考えてみれば、最初、女性のタレントがいなかったのね、私以外。事務所に入って、23年なんですけど。最初は、女は面倒くさいから、イヤだって言われていたんですけど、私、面倒くさくなかったじゃない。最初、バスガイドの衣装買ってらっしゃいって言われて、三万円渡されて、新宿のマイシティで買ったのよ。

:へぇーっ。

:たったそれだけで始めたのよ。たったそれだけで、よく稼いだじゃない。だから、女性タレントもいいねっていうことになり、次にレコードも、映画もCMもって・・・。やったことがないことを全部、やってきたという感じがしますね。(北野)たけしさんなんて、いまや、映画監督ですからね。舞台もだんだん、事務所からわかってもらえたから、嬉しい。

:はあ・・・すごい。

:これからの夢は?

:舞台では、モテモテでどうしたのっていうぐらいの役をしてみたいですね。それで、美人と対決してみたいの。高島礼子ちゃんが、いいんですけどね。礼子ちゃんが、ボロボロにふられるの。女は、美人より、愛嬌と笑顔のほうが勝つんだっていう・・・全国のブスのみなさんに・・・こういういい方イヤかもしれないけれど・・・大拍手をもらえるような役をやってみたいんです。あっ、礼子ちゃんが気立てが悪いってわけじゃないですよ。彼女は、心もいい人ですからね。ただ、いわゆる美人よりも、笑顔が勝つんだというのは、やってみたいですね。もうひとつの方は、やっぱり芸人ですからね。芸人の、いまだに食えないヤツって、いっぱいいるんですよ。でもね、一芸はいいもの持っているの。そういう瞬間芸みたいなものだけ集めて何かやりたいですね。私は漫才ブームの時期を知っているけれど、その後、ちょっと間が空いちゃったでしょ。でも、最近ネタの時代が来ていると思うの。みんな、ネタがやりたいんですよ。演芸のライブや、ネタを持って全国を回るというのを計画しています。

:実現できたら、楽しみですね。

:ベテランで、すごい人もたくさんいるんですよ。そうしたら、もう、両方を混ぜちゃって、舞台をするというのも夢ですね。

:いいですね。そういうので、全国を回りたいですね。

■ 夢は全国ツアー ■

:まだ、東京と名古屋の二カ所しか、回れないでしょ。せめて、あと一カ所。合計三カ所。そして、最後には全国というのは、夢ですね。去年はコンサートでは、全国ツアーというので回ったんですけど。フランスのクラシックの楽団と一緒に。でも、全国ツアーは移動が大変でした。昨日青森にいたのに、今日は九州。途中、小型ジェットに乗って、四国とか。楽団だから、みんな大きな楽器も、自分で持って行くんですよ。途中フランスの方が、ヴァイオリン落っことしちゃって、少し傷がついて、みんなドーンと暗くなっちゃったの。私なんかから見れば、ちょっとツバつけときゃ直るっていう感じなんだけど、楽器ひとつで、家が買えるような値段のものだっていうから。京都にとても修理の上手な方がいらっしゃって、直ったんですけどね。結局、昔から受け継がれているものだから、傷だらけなんですけれど、それを上手にメンテナンスを重ねて、使い続けているんですね。

:何カ所ぐらい回られたんですか?

:10カ所。私が抜けたのも合わせると、その楽団は20カ所ぐらい行ったんじゃないかな。毎年日本にいらっしゃっているので、慣れている楽団でした。私は慣れていなかったんですけど。

:邦子さんは、歌ったりされたんですか?

:サン・サーンスの動物の謝肉祭は、語りが主役なんですけど、その語り担当で。私がしゃべって、一曲演奏する。全員フランス人だったから、大変でした。指揮者のおじいちゃんはいい方だったんですが、とにかく「ウィ」って返事してくれるけど、通じているのかいないのか、わからなくて。私はフランス語は挨拶しかできませんから。コンサートのお客さんは日本人なので、私は日本語でしゃべるんですが、お客が笑っても楽団の人たちは、私が言っていることがわからないわけですよ。そのうち、私の語りの訳をくれということになりまして。象の訳は喜んでましたね。最後はだいぶ仲良くなったんですが、結局フランス語はしゃべれるようにはなりませんでしたね。今度はそんな感じで、一座で全国回りたいですね。

:楽しそうですね。

:メグは、泊まりの舞台はしたことあるの?

:一度、名古屋で。一ヶ月間。

:じゃあ、今回と同じなんだ。

:あとは、全国を回るのも一回だけ。

:じゃあ、先輩なんだ。

:バスでずーっと何十キロって旅をするんで、それも楽しくって。どこどこの駅に行くと、大型バスが待っていますって言われたり。スタッフの方とも、長くいるとみんな仲良しになるんで。そのときは、舞台監督が女性の方で、最終日は、普段は男っぽい監督が、バスガイドの衣装で、ロン毛のカツラつけて、とてもきれいにして、「ご乗車ありがとうございます」って、いつもと違うことを、逆に演じてくださったんです。

:楽しいね。

:本当はこっちがやらなくっちゃならないですものね。

:そういう、チームワークができるっていうのが、ステキよね。やっぱり、先輩だわ。私には、そういう経験がないですから。今に、姉さんって呼ぶようになっちゃうから。

:いえ(笑)。

:座長が一番経験がないの。座長は、ただのタレントですから。もう新米座長で、パンツ何枚持って行こうかっていう段階でしたから。楽屋入りの日っていっても、何にも荷物がなくって、紙袋一枚で行ったんですよ。でも、みんな引越しみたいに、楽屋を作るんですよ。炊飯器持ってきたり、椅子持ってきたり。タレントは楽屋っていったら、お化粧したりなど、ただ支度するだけの場所ですから、最初は、何でって思いましたけど。

:暖簾はカワイイですよね。

:いつも自分で縫うんだけど。なんか、尊敬する先輩からもらうって言うんですけど。事務所の先輩って鶴ちゃん(片岡鶴太郎)でしょ。鶴ちゃんたぶん、魚の絵かなんか、描いちゃいそうで。それも、どうかなって思って。結局、自分で縫ったり、描いたりできるんで、自分でやってたんですけどね。今回、和物だし、三回目だから、そうだ、黒柳徹子さんからいただこうと思って、この間、『徹子の部屋』で、「徹子さん、暖簾ください」って言ったら、「私もね、自分で作っているんですよ」って、結局くださらなかったのよ。「ケチで言っているんじゃなくてね」って、言ってましたけど。(中村)玉三郎さんも、ご自分で作っていらっしゃるんですって。「ご自分のお好きなものをかけた方がいいんじゃないですか」っていうことなんだけど。考えたら、三輪明宏さんも、ご自分で気に入っている紫色のレースをかけていらっしゃいましたね。でも、先輩からもらったら、私は気に入るけどね。

:そうですね。

:結局今回も、自分で作ります。一番最初、座長公演したとき、最初、暖簾を用意しなかったんですよ。いいじゃん、開けとけばって思っていたんですけど、中でハダカ状態になることがあまりにも多くて、丸見えなんですよ。じゃあ、閉めとけって言ったら、座長、座長って人がすごく入ってきて、閉めてられない。で、暖簾というのは、理にかなっているなと思って。だんだん立派になったら、暖簾を下さいと言われてみたいですね。

■ 邦楽の新番組に出演します ■

:激動の時代を、本当にまっすぐ、一生懸命に生きた人々の話です。イラク戦争が始まってしまい、日本では昭和20年以降を戦後、戦後と言っていたけれど、世界ではこの60年近く、どこかで戦争が起こっていたわけです。世界規模では、戦後じゃなかったのよね。日本の戦後派としては、先輩から何も学んでいなかったんだなって。もう一回、考えるべきだと思います。そういうことを、夢奴が見事に言います。お金じゃ買えないことがあるということをね。大切なのは、生きることだっていうことを。非常に前向きに力強くやりますので、そこがみどころです。あとは、小井塚くんと、メグの10代。舞台のマジックです。これも、みどころだと思いますよ。

:衣装とカツラに助けられ・・・。

:メグなんて、大きな声では言えませんけど、20代の役が来たって恥ずかしいんですよ。それが飛び越えて10代ですから。

:そうですよね。

:まあ、私も人のこと言えませんけど。20代の役ですから(笑)。すごく元気になりますので、現在、恋愛中の方、これからの方、ケンカ中の方、離婚しちゃいそうな人も、もう一回、あれ、この人が好きかもって思うかも。是非、いろいろな方に見ていただきたいと思います。見に来て下さい!! おふたりも、言っておきたいことは?

:普通の商業演劇と違って、邦子さんがおやりになるから、見に来て下さる年齢層が、若い人から年輩の人まで幅広いんです。いつもおすすめしているのは、そこです! 皆さん、楽しんでいただけるんじゃないかと思いますよ。また、幅広い方に見ていただくという意識を常に持って、頑張っています!!

:私は邦子さんとは、ウン十年前にお仕事をさせてもらって、本当に長い・・・お鍋をつつき合うこともありながらのお付き合いだったんですけど、本当に久しぶりにこういう形で長い時間ご一緒させてもらうんで、楽しいですね。自分で役作りができてきたら、その後のことも、楽しいなと。あとは、いろいろな人に見ていただいて、舞台って楽しい、よかったなって思って帰っていただけることを第一に考えています。この舞台は、心に残ることが、きっと皆さんあると思うんで、幅広い方に是非見ていただきたいです。すごくみんな頑張ってやっているんで、見に来て下さい。

:舞台って、やっぱり、演じる側が元気じゃなかったら、ダメなのよね。4月、5月は真剣に頑張ります。6月はね、どうやら座員の中にハワイに行ったことがない人がたくさんいるので、格安チケットで、時間を合わせて、ハワイに行こうじゃないかという話も出ています。むろん、成功しなかったら、それはないことなんですけど。

:本当ですか、わー嬉しい!

:でも、格安チケットですよ。

:いえ、それでも、行ったことないんで。

:小井ちゃん、頑張ろう、10代!

:そうですね。

:みんなで頑張って、成功させましょう!

次回公演は、名古屋・名鉄ホールにて、2003年5月10日(土)〜25日(日)、(開演時間11時30分および15時30分)です。

名鉄ホール
052-561-7755(ご予約)/052-585-7810(ご案内)

–> 山田邦子 プロフィール

–> 渡辺めぐみ プロフィール

–> 小井塚 登 プロフィール

山田邦子、渡辺めぐみ、小井塚登のサイン入り生写真を二名様にプレゼントします。
ご応募は、お一人様一通まで。メールのタイトルは『夢奴奮闘記プレゼント応募』としてください。
〆切は、2003年5月12日(月)午前0時到着分です。
当選者にはメールにてご連絡いたします。

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