人工精霊<Vol.4 儀式!>

● 儀式!

さあー、儀式やるよ、儀式。ろうそくが1本ついていたとはいえ、不二家のケーキについてくるみたいな細いやつで、いまひとつなんだよね。これじゃ精霊がちゃんと出てきてくれるか心配だから、僕は自分でも用意したよ。

じゃ、説明書の順を追ってやっていくね。

『ビンのフタを開封する前に、人工精霊の意思を縛らなければなりません。なぜなら、開封すると同時に逃げられてしまう恐れがあるからです。』

そっかー。なるホドね。で、精霊はどれなの?結局。まあいいや。次。

『まず東を向いてキャンドルに点火します。火事にならないように気をつけてください。』

ならねーよ。ハイ、火つけました。

『そしてキャンドルの炎を見つめながら瞑想してください。瞑想中に願望について考え、それが叶うように集中します。完了したらビンを左手に持って次の呪文を唱えます。』

フムフム。なんかむずかしそうだぞ。でもがんばって声に出して言ってみたよ。

「我は汝の主なり。我は汝の神なり。人工精霊フォブスよ、我が目前より消えることなかれ!!」

あ〜めんどくさい。なにこれ〜。もう舌かみそうだよ。漢字も難しいし。え、そんで、どーするの?

『護符とロウで封印されたビンのフタを開けます。』

ハイ。おっ、カンタンに開いちゃったよ!

『そしてあなたが人工精霊の主人であることを示すとともに、目的の願望を命令する内容を唱えます。呪文を唱えるときは全身全霊で行ってください。願いが叶うという絶対的な意思の力がこの儀式の成功の決め手となり、効果の発現に大きく左右します。』

はい、分かりました。じゃ、きちんとやろう。真剣に。僕の願望が達成されるように、心からお祈りしようっと!!

「我は汝の神なり。汝の任務は我が命令に従うことなり。人工精霊フォブスよ、スープレックスに不幸をもたらすことを命ずる!!うゥ〜〜〜〜!!(念じてる)」

うん、これでよし

それからもう1個、最後の呪文。

「人工精霊フォブスよ、汝の魂は放たれた。我の願いを成就させんがため、 全身全霊で働きかけたまえ!!」

フ〜〜〜〜〜〜〜〜っ。ろうそく消したよ、一気に。ハイ、これで儀式はおしまい。

なんにも起きないよ。精霊はどこ行ったの?

『なお、ビンは普通に捨てて頂いてけっこうです。』

え?捨てちゃっていいの?中身の粉とかがまんま残ってるけど、そのへんはどうなの?

かなり不安だよ。なんか効果がこれじゃ、分かりづらい気がするよ。僕はビンはとっておきたいなぁ。

ところで説明書の最後に、『あまりに現実離れした内容を命令すると、人工精霊が怒りだす可能性があります。』って書いてあるけど、もうこれそのものが現実離れしてるよ。

あ、そんなこと言ったらヤバイかな?こわ。でも結局、どれが人工精霊だったのか分からずじまいだよ。このままじゃ不明な点がいっぱいあるから、また電話して聞いてみなくちゃ!でもあの会社、ウサんくさくてこわいなぁ・・・・。

〜とっぷへもどる〜        〜次のページへ〜

PAGETOP